会頭Message


 現在の産業や経済などについて、犬山商工会議所 会頭が
思ったこと・話したことを月に1回程度掲載します。


戌(犬)を活かそう!

2018年01月 1日

 新年明けましておめでとうございます。

 平素より、会員を始めとした皆様には、当会議所事業に対し、一方ならぬご支援、・ご協力を頂き、誠にありがとうございます。年頭に当たり、厚く御礼を申し上げます。

 昨年の我が国の景気は、緩やかな回復基調で推移し、期間としては"いざなぎ景気"を超えるに至りましたが、先行きにつきましては、北朝鮮問題やアメリカの保護主義政策の動きなど、不透明感も強まっております。一方、地域におきましては、労働人材の不足、経営者の高齢化などを背景に中小企業の経営は、厳しさを増しております。こうした中、犬山商工会議所といたしましては、本年も日本商工会議所等との連携を強化しつつ、とりわけ次のような地域課題に重点を置いた取り組みを進めて参る所存でおります。

 その一つは、事業承継であります。中小企業経営者の高齢化とその後継者の不在は、「大廃業時代」の到来を現実のものとします。事業の承継は、個々の事業者の相続問題というより、世代交代を通じた地域産業の活性化問題と位置付けるべき喫緊の課題であります。当所は、2018年度に拡充される「事業承継税制」などの施策を活用し、円滑な事業承継を支援することとしております。

 次は、人手不足の解消であります。中小企業の人手不足は、深刻化しており、放置すれば事業の生産性を弱め、地域の産業基盤を著しく損なわせるものであり、官民を挙げて待った無しに取り組むべき課題であります。この克服に向け、女性、高齢者、外国人など多様な人材の活用を可能とする就業環境の整備が進むように、会議所としてできることを着実に実施することとしております。

 次は、地域創生であります。この課題につきましては、これまでも再三にわたり言及しておりますが、犬山の創生において、とりわけ、観光の振興が重要であると認識しております。この課題には、関係機関・団体と連携し、交流人口の量的・質的な拡大に向けて、犬山が持つヒト・モノ・コトを来訪者の満足に適うような形に磨き上げる取り組みを引き続き実施することとしております。

 さて、本年は、戌年であり、犬山にとっては誠に験の良い年であります。とすれば、「犬」を切り口として地域創生を図らない手はありません。私も何か良いアイデアはないかとあれこれ思案しているところであります。ちなみに、犬にまつわる故事、ことわざを見てみると、意外や犬は、マイナスのニュアンスを帯びたたとえとして使われている例が非常に多い(特に中国)ことに驚かされます。ともあれ、このメッセージも"犬の鳴き声"(※)程度のものかと苦笑しつつ、犬の良いイメージを活用する方策を見つけたいと思っております。 

 皆様も妙案がありましたら、ご教示くださるようお願いいたします。

(※)つまらない文章を驢馬や犬の鳴き声のようだとあざけり笑った故事で、

   「驢鳴犬吠(ろめいけんばい)」という成語になっている。

会頭職の三段跳び

2017年12月 1日

 10月初め以降、世界経済全体の景気回復や好調な企業業績を背景に、世界的に株価が上昇しており、我が国の株式市場も一時26年ぶりの高値を記録するなど、堅調に推移しております。しかし、こうした好ましい状況も永久には続かないことを念頭に置いて、動向を注視していく必要がります。

 昨年11月、私が3期目の会頭職に就き早1年が経ちました。この間、「頑張る企業を応援する」との掛け声の下、生産性の向上を目指して設備投資等を行う商工業者を支援する取り組みを始め、小規模事業者の持続的発展に向けた支援事業を実施して参りました。また、観光面におけるこの1年を振り返りますと、犬山祭車山行事のユネスコ無形文化遺産への登録が実現し、知名度の向上と相まって、城下町、犬山城への来訪者も増え続け、平日においてもスマートホンを片手にインスタグラムに興じる若者で賑わいを見せております。こうした動向を背景に、行政関係者などの視察者も増えており、犬山のまちづくりに対する他地域の関心の高まりを(うかが)い知る(よすが)ともなっております。畢竟(ひっきょう)するに、犬山の「観光力」は着実に強くなっているとの手応えを実感しております。

 さて、こうした中、任期3年の会頭職の2年目におきましては、会議所の重要な使命である地域商工業の発展・振興面では、小規模事業者の経営発達支援事業の仕上げと次の支援計画の策定を行って参ります。観光振興面では、城下町地区における火災跡地の再開発事業を立ち上げた犬山まちづくり(株)に協力し、賑わいを創出する拠点づくりに取り組んで参ることとしております。また、栗栖地区の「つり橋」構想につきましては、架橋のための諸条件についての調査・研究に着手し、その実現に向けての行動を一歩前進させることとしております。

 こうした今期の取り組みでありますが、陸上競技の3段跳びに例えれば、ホップの跳躍を終え、次に跳ぶステップの段階を迎えたところであります。3段跳びで重要かつ難しいのが2つ目の「ステップ」であることは多々指摘されるところでありますが、何事においても、第2段階のステップの良し悪しが、第3段階のジャンプの仕上り、ひいては最終結果の良し悪しに影響するということを示唆するものとして、傾聴すべき指摘ではないかと思われます。

 会頭としてのチャレンジ事業におきまして 第1年目の跳躍を踏まえ、その姿勢を崩さずに第2年目のステップにつなげ、ご期待に添える成果を出せるよう頑張って参る所存であります。

 このような私の3段跳びですが、皆様の応援、サポートをお願いする次第であります。

えびす様頼み

2017年11月 1日

去る9月28日に衆議院が解散され、本稿を執筆している10月中旬現在、各政党各候補者間において熾烈な選挙戦が繰り広げられております。今回の解散については、北朝鮮の核・ミサイル開発など地政学的リスクの増大、働き方改革の推進など内外の重要な政治課題が山積するこの時期、政治の空白を招くような事態は許されないとの批判も多々なされております。この点につきましては、個別具体的な事柄について論じる力はありませんが、全衆議院議員が一時的に不在であっても、来年度予算の編成や税制の改革など重要な事柄に関する作業は休むことなく続けられており、空白を生じることはないと考えております。こうした国家運営の日常・実際面を担っているのは、官僚であります。我が国の官僚は、優秀であり、国家運営面で大きな支障が生ずることはまずあり得ないと言えます。

 こうした中、9月25日発表された「月例経済報告」において、景気は引き続き緩やかな回復基調で推移しているとの判断が示されました。この判断を受け、アベノミクスによる景気拡大が戦後2番目に長い「いざなぎ景気」(57か月)を超えるに至り、次の焦点は、戦後最も長い「いざなみ景気」の記録(73か月)を超えるかどうかであるといった報道が散見されます。しかし、今回の景気拡大には実感が伴っていないとの指摘が少なからずあることも事実であります。これを裏付けるかのように、直近における各種中小企業景気調査を見ると、確かに、業況悪化との判断する者は減少しているものの、全体としては、景気は停滞していると感じる者が7割を占める一方、回復を実感している者は2割に満たないといった実態がうかがい知れます。私ども企業人といたしましては、このようにまだまだ困難を脱し切れていない地域中小企業にあって、一日たりとも経済の空白は引き起こさないという気概をもって、事業運営に取り組んで行かなければならないと考えております。

さて、折しも、神無月の時節、八百万の神々がこぞって出雲へと出かける中にあって、恵比寿の神は、「留守神」として出雲に行かず、神々の空白となる在地の人民・家業を守る役を果たすといわれております。加えて、恵比寿は、「いざなぎ」の神と「いざなみ」の神を両親として誕生した神であるとの説もこれあり、"商売繁盛"への根拠の無い期待も生まれて参ります。

 いずれにせよ、このメッセージが皆様の目に触れる頃には、総選挙の帰趨も決しており、新しい政権の下で、我が国経済の実態に即した諸対策が講じられ、全ての国民、企業が実感できる景気の拡大が実現するよう念願する次第であります。

JFKからのメッセージ

2017年10月 1日

 直近8月の「月例経済報告」によれば、個人消費の持ち直し、企業収益の改善などを背景に、景気は、回復基調が続いており、先行きについても、雇用・所得環境の改善が続く状況の下、緩やか回復していくことが期待されております。こうした中、ミサイル発射や核実験の実施といった北朝鮮の動向が我が国経済や市場に及ぼす悪影響を懸念する声も聞こえてきます。また、一方では、北朝鮮の脅威の増大が、軍需産業の業績を伸ばすとの期待から、その株価が上昇しているとの報道もみられます。

 さて、ご案内のとおり、世界は、朝鮮半島情勢を震源とする不測の事態の出来(しゅったい)に危機感を募らせております。北朝鮮の核・ミサイルの開発を巡り、米・朝関係は緊迫の度合いを高めており、両国が武力で衝突し、最悪の場合核兵器の使用へとエスカレートすることへの危惧が真剣味を帯びて語られております。

 ここで私の世代が想起する出来事は、55年前、米・ソの冷戦構造下で起きた"キューバ危機"ではないかと思います。ソ連がキューバにミサイルを配備、これを許しがたい脅威と見た米大統領J.F.ケネディは、海上封鎖を断行、両国は、一触即発の状態から核戦争の瀬戸際まで行く事態となりました。この時は、ケネディとソ連首相のフルシチョフとの交渉の結果、ミサイルの配備は断念され、核戦争は回避されました。

 キューバ危機の翌年、ケネディ大統領は、ワシントンの大学で、『平和への戦略』と題し、冷戦下の当時におけるだけの平和ではなく、「あらゆる時代における平和」であるという意味での「真の平和」について演説をしました。

 彼は、この演説で、核の時代には究極的に人類が壊滅する全面戦争は無意味であり、であればこそ、「相手国に屈辱的な退却か核戦争かの二者択一を強いるような対決は避けなければならない」と主張します。「我々を結び付ける最も根本的な絆は、小さな地球上で共に生きているという事実である」。だからこそ、「関係者全員の利益にかなう具体的な行動と有効な合意による平和づくりに力を注ごうではないか」と説き、重ねて、「歴史は、国同士の対立も永遠には続かないことを教えてくれているので、たゆまず努力を続けよう」と人々を鼓舞します。そして、「我々は、全滅への戦略ではなく、平和への戦略に向かって努力を続けるのだ」とそのスピーチを締めくくります。ケネディは、この演説から半年を待たずして凶弾に倒れましたが、この演説で示された彼の世界平和に対する情熱と信念には、今、強く私どもの心に訴え掛けてくるものがあります。

 私どもは、核戦争は絶対に起こしてはならないものであることを肝に銘じ、いつの日かケネディのメッセージを実現できるように、国境を越えて知恵を出し合い、行動していかなければならないと思う次第であります。

賑わいのターニングポイント

2017年09月 1日

今、犬山の城下町は、大変多くの人で賑わっております。今回は、この城下町を中心としたまちづくりの片りんに触れてみたいと思います。

 思い起こせば、昭和63年6月、犬山駅東にイトーヨーカドーが開店し、その商業施設には城下町地区の多くの商店がテナントとして出店をしました。この折、当時の大店舗法による大型ショッピングセンターへの出店に伴う現店閉鎖措置として、それぞれが路面店を閉めたため、城下町は、シャッター通りとなり、その賑わいを無くしていきました。

 このヨーカドーの出店を一つの契機に城下町の保存に向けた運動が高まりをみせ、平成17年3月、都市計画路線として城下町の本町通りの道路を拡張する計画が廃止されたことは、こうした動きを象徴する出来事として記憶されております。この都市計画道路の見直しは、本町通りの道幅、家並みをそのまま現在に遺すことになり、今更ながら一つの英断だったと思っております。その後、平成21年3月に電線、電柱の地中化、道路の美装化が完成し、城下町は、江戸時代の風景にタイムスリップしました。その時が、城下町の賑わいのターニングポイントであったと考えております。

 こうしたインフラの整備と並行して、城下町地区では、賑わいを創出するための施設整備が進められました。平成12年から14年にかけては、「どんでん館」、「しみんてい」、「余遊亭」がまちづくりの拠点施設として開設されました。同15年には、本町と新町の角に「なつかし屋」が開店し、17年には、「旧礒部邸」が整備され、一般に開放されました。また、18年7月には、「愛知北FM放送」が開局し、まちの放送局として犬山の情報発信拠点の役割を担うこととなりました。また、24年4月には、中本町に飲食店等17の店舗を擁する「昭和横丁」がオープンし、城下町地区におけるグルメ施設不足の解消に一役買いました。加えて、犬山まちづくり株式会社が推進する「空き家空き店舗事業」により、12の店舗が開店し、現在に至っております。

 賑わいは、ハード施設面における整備のみでは十分とは言えません。ウォルト・ディズニーは、「ディズニーランドを造っただけでは集客はできない」、「そこには、常に多彩なイベントを考案しなければ、リピーターはない」と言いました。犬山城下町において、6月の日南焼酎まつり、9月のビールまつり、12月のドイツワインまつり、1月のどぶろくまつり、というように間断のないイベントを企画・実施している所以であります。

 ご案内のとおり、ヨーカドーは、29年間の営業に幕を下ろし本年2月をもって閉店し、4月、そのあとを受け、ヨシヅヤが開店をいたしました。今この時を更なるターニングポイントとし、一層の賑わいを呼び込むべく知恵を絞って行かなければならないと考える次第であります。

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