会頭Message


 現在の産業や経済などについて、犬山商工会議所 会頭が
思ったこと・話したことを月に1回程度掲載します。


つり橋にかける犬山の創生

2016年03月 1日

我が国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、中国を始とした新興国経済の減速、株安、円高など景気の下振れリスクへの注意も必要な状況になっております。こうした中、地域中小企業の業況の厳しさは、依然として解消されるには至っておりません。

さて、ご案内のとおり、現在、犬山市においては、本年度末の完成を目指して「犬山市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の検討が進められております。こうした地方創生に向けた取り組みの一環として、先頃、犬山市、犬山商工会議所及び犬山市内の金融機関の三者間において、地方創生に係る連携・協力体制を構築するための協定が締結されました。その締結式における挨拶の中で、私は、ある新聞記事の一つを紹介いたしました。それは、「つり橋支店長、駆ける」という、当日の日経朝刊に掲載されたものでありました。これは、静岡県三島市の歩行者つり橋「三島スカイウォーク」の誕生にまつわるもので、観光資源は多いものの待ちの姿勢が染みついた地元関係者が多い中、日本一のつり橋を作るという意気込みの下、銀行上層部を説得するなど実現に駆け回り、ついにこれを実現させ「つり橋支店長」の異名をとった、当時静岡銀行三島支店長の大橋弘氏についての記事であります。この記事について、金融機関の地域づくりへの協力を切に期待する意味でお話をした次第であります。

実を申しますと、当地犬山におきましても、この"つり橋"構想は存在しております。平成9年、当会議所が高橋会頭の下で「犬山市の将来像」を描いていた折、その担当委員長であった私は、栗栖と坂祝間の木曽川に"つり橋"を架けることを提案いたしました。しかし、当時は地元の皆さんのご理解が得られないなどのこともあり、断念せざるを得ませんでした。

その後、当地を取り巻く環境も大きく変わり、とりわけ栗栖地区のにぎわいの喪失には心を痛めておりますが、自然環境は、当時のまま残っております。近年、インバウンドを含め増加を続ける観光客を視野に、栗栖と坂祝をつり橋で結び、橋上からの木曽川の眺め、猿ばみ城への周遊路といった新たな観光資源を手に入れることは、観光立市犬山にとって、地方創生の大きな目玉の一つになるものと考えております。先の「犬山市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、重視する視点の一つとして、「体験」と「人の交流」をテーマに、「あたらしい観光の魅力の発掘」が掲げられていることは、正にこの思いを示しているものと解釈しております。

私といたしましては、今後、機会を見つつ、つり橋の実現に向け、地元の方々の理解、国等に対する働きかけ、金融機関の協力を始めとした民力の結集等に駆け回る所存でおります。皆様のご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

城下町の復興

2016年02月 1日

お正月の1月はあっと言う間に過ぎ去ると言う実感が2月号の会頭Messageを執筆するに当りひしひしと思われました。

新年から株の下落が続きました。又原油価格の下落が重り、中国経済の鈍化、そしてサウジアラビアとイランとの関係が悪化しました。

北朝鮮の水爆実験が行われ、大きく世界が動いています。グローバルな経済の背景を把握して分析していなければなりません。どこか第2次世界大戦が起きる前の時代に似た所が散見出来ます。

さて、1月11日で城下町の火災から1年が経過しました。一刻も早く城下町の復興を実行に移して行かなければなりません。お城と共に城下町が現存する市町は全国でも犬山のほかほとんどありません。この貴重な城下町を後世に贈って行く覚悟が必要です。

戦後全国に都市計画路線が引かれ全国の市町そして城下町にも引かれ道路の拡巾が行われました。その結果車道と歩道が整備されましたが城下町は無くなってしまいました。

幸い元犬山市長の石田さんの骨折りで、犬山の城下町の都市計画路線を廃止することが出来ました。これも全国で一例か二例のことです。そのお蔭で江戸時代の道巾が現在まで残すことが出来ました。

犬山の城下町が人の住む全国唯一の博物館として、明治村が人の住まない博物館として犬山に大きな観光資源となりうる可能性を持っています。世界に誇る犬山城下町の復興に犬山商工会議所も全力投球で臨む覚悟です。

皆様方のご支援を心よりお願い申し上げます。

もはや「地方創生」しかない!

2016年01月 1日

明けましておめでとうございます。

平素は、犬山商工会議所の事業活動に対し格段のご理解、ご協力を頂き、厚く御礼を申し上げます。

新しい年を迎えるに当たり、この一年を振り返るとともに、思うところの一端を申し述べさせていただきます。

昨年以降、日本経済は、消費税引上げの悪影響から脱しつつ、円安、原油安といった追い風を受けて企業収益にも改善が見られ、基調とすれば緩やかな回復経路をたどり、現在に至っております。こうした中、年央ごろから中国を始とした新興国経済の減速を背景に輸出が低調に推移しており、今後、米国の金融政策と相まって新興国経済の動向が大いに気になるところであります。

さて、昨年来、我が国経済の再生を論ずるに当たり、"地方創生"が盛んに喧伝されており、私も機会があるごとにその意義を強調して参りました。

少子高齢化、グローバル化等が進む我が国において、その弊は地方において著しく、とりわけ、中小企業の大宗を占め、これまで地域経済の維持・発展を支えてきた小規模事業者は、質・量両面にいて弱体化しております。このまま手を打たずにいれば、地域経済そのものが衰退する危機に直面するといっても過言ではありません。

こうした事態を見据え、商工会議所といたしましては、本年以降、中長期的視点から、①小規模企業を育成し地域経済の自立的存続を可能とする規模(数)を確保すること(小規模事業者のマクロ・量的な発展)、②個々の小規模事業者の実態に合ったカスタムメイド型の支援を通じその経営発達を図ること(ミクロ・質的な発展)を目標に、支援事業計画を策定し、実施することとしております。地域の経済社会の維持、成長を支える原動力の役割を担う小規模事業者の持続的発展こそが「地方創生」を実現する要の一つであり、この意味で、本年を、小規模事業者づくり(支援)元年、言い換えれば、新しい地域経済づくり元年と位置付け、精力的にチャレンジをしていく所存でおります。

本年は、丙申(ひのえさる)の年に当ります。前回の丙申である1956年は、その「結語」で、我が国は、『・・・もはや戦後ではない。・・・世界技術革新の波に乗って、新しい国造りに出発すること』が必要であるとし、新たな成長に向かってのチャレンジを提唱したあの「経済白書」が出された年ですが、60年の時を経たこの巡り合わせに何らかの意味を見出したような思いでおります。

 本年も、皆様方のご支援、ご協力を切にお願い申し上げます。

「隠れたチャンピオン」の輩出を!

2015年12月 1日

 毎年10月、11月は他地域との交流事業が集中する時期であります。今年も当商工会議所を中心に参加者を募り、日南市、石垣市、韓国ハマン郡、中国襄陽市の各地を訪問し、親密な交流を重ねて参りました。とりわけ、韓国、中国については、歴史問題、領土問題を背景とした政治・外交面での我が国との軋轢が続く中、民間・経済ベースにおける友好関係の維持・増進に向けた意欲を確認し合えたことは有意義であったと思っております。折しも、11月1日、日中韓サミットが3年半ぶりにソウルで開催され、両国との関係改善も一歩一歩前に進んでいる感があります。同サミットでは、経済貿易分野における協力の一層の強化、高度化を図るとともに、日中韓FTA等の交渉加速化に向けて更なる努力を行っていく旨の合意がなされました。今後、3国間で紛争を避け、平和を指向する流れが奔流となり、相互の経済や商工業の成長・発展が推し進められて行くことを念願する次第であります。

 さて、経済のグローバル化の進展を背景に、上述の日中韓FTAやTPPといった自由貿易協定(経済連携協定(EPA))交渉が活発化しており、我が国企業を取り巻く経済環境は大きく変化することが予想されます。中小企業の海外展開の促進は、地方創生の柱の1つに位置付けられており、地方の中小企業にとってもアジアなどの海外市場に販路を求める精力的な努力が求められることになります。この意味において、2000年以降、中小企業の積極的な海外展開を通じ、EU内で「独り勝ち」の優等生となったドイツに学ぶべき点は多々あると思われます。一般に、ドイツの中小企業の強さは顧客ニーズへの徹底した対応による高付加価値化と海外の優秀な人材の活用を重視した経営戦略にありますが、また、こうした中小企業の海外展開において政府や関係機関・団体の支援事業が大きな役割を果たしてきたことも看過できないと言われております。ちなみに、ドイツ商工会議所のアンケートによれば、ドイツの企業が海外展開する際の相談先として「国内の商工会議所」を挙げる者が43%あり、海外への展開面で地元の商工会議所の存在は大きなものとなっているようであります。

 こうした中、犬山商工会議所といたしましては、現在、原産地証明書の発給業務を通じ、貿易取引の円滑な進展をサポートしておりますが、今後、日本商工会議所を始めとした関係機関・団体とのネット―ワークを強化し、FTA/EPAの利用促進に向けた取り組みを行うとともに海外販路の開拓、専門家の派遣等の諸事業を実施し、当地域の中小企業の海外展開を支援して参りたいと考えております。

こうした取り組みの中から、将来、当地域にも「隠れたチャンピオン企業」と呼ばれる優良企業が生まれることを大いに期待する次第であります。

ノーベル賞とTPPで活路を!

2015年11月 1日

10月5日、2つの朗報が飛び込んできました。1つは、2015年ノーベル生理学・医学賞の受賞者に北里大学の大村氏が選ばれたというものです。また、これには、翌6日、物理学賞が東京大学の梶田氏に授与されるとの報が重なることになりました。今年も昨年の物理学賞3名に続き2名の複数受賞となり、2000年以降における自然科学分野での受賞者総数を米国に次いで2番目に多い21名と伸ばし、この分野における我が国の基礎研究能力の高さを改めて実証する結果となりました。

ここで、近時において我が国が受賞した研究成果について、あえてキーワードを挙げるとすれば、「地方」と「中小企業」ではないかと思っております。前者は、受賞者の学び舎が神戸大(山中氏)、徳島大(中村氏)、山梨大(梶田氏)、埼玉大(大村氏)といった地方大学であり、地方の実力の一端を象徴していることがその根拠です。後者については、「青色LED」の中村氏に代表されるように、受賞者は、大学の研究者を除けば小さな企業の出身であり、また、「IPS細胞」の実用化において中小企業が先陣を切って活躍している旨が伝えられるなど、中小企業の研究能力によるところが大きいという事実がその理由です。こうした状況は、地方の中小企業者にとっては大いに心強く思われます。

もう1つの朗報は、TPP(環太平洋経済連携協定)が5年(日本参加後2年)に及ぶ交渉の結果、大筋合意に達したというものです。この先、参加12か国の署名及び批准を経て協定が発効すれば、モノ、サービス、投資などの分野において世界最大規模の自由貿易圏が誕生することになります。商工会議所としては、基本的には、「中小企業にも大きなビジネスチャンスを与えるもの」と歓迎しております。もっとも、TPPのメリットを地方の中小企業にとって実効性あるものにするためには、支援措置が必要不可欠であることは申すまでもありません。

こうした中、今回の協定には、中小企業がTPPの恩恵を受けられるように

これをサポートするための取り決めが、この種の協定では初めて、条文化されることになった点は大いに評価できます。これを受け、政府からは「中小企業のための対応本部を設置し、支援策を全国に分かりやすく発信したい」旨の表明がありましたが、より広範かつ強力なサポート体制の構築が期待されるところです。

今後、犬山商工会議所は、日本商工会議所等と連携し、TPPの普及とその利用の促進に向けた取り組みを積極的に進めて参る所存でおります。

 この2つの朗報は、現在、地方創生に向け官民を挙げた取り組みが進められている中、地方の中小企業が進むべき一つの方向を示す出来事ではないかと考える次第であります。

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