会頭Message


 現在の産業や経済などについて、犬山商工会議所 会頭が
思ったこと・話したことを月に1回程度掲載します。


新型コロナウイルスワクチン接種により見え始めた光!!

2021年04月 1日

 令和3年2月17日、日本でもようやく新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりました。G7の中では最も遅い接種開始となるなど遅れをとりました。現在、国立病院機構、地域医療機能推進機構、労働者健康安全機構(労災病院)の100医療機関に所属する医療従事者の方々、約4万人を対象とした先行接種が行われています。その後、380万人程度にのぼる医療従事者の方々への優先接種が行われることとなりますが、厚労省は、医療従事者等の方々に早期に接種する理由として、「新型コロナウイルスへの曝露の機会が極めて多い」「従事者の発症・重症化リスクの軽減は、医療提供体制確保のために必要」の2点を強調しています。過酷な環境で、大きなリスクを抱えて医療にあたっていただいている医療従事者の方々に対して先行してまた、優先してワクチンを接種することは非常に良いことであると考えます。これにより、医療提供体制が確保され、十分な医療サービスの提供が迅速かつ確実に提供されますことを切に願っています。

 しかしながら、グローバルな視点でワクチン接種状況をみてみますと、世界各国の政府などが公表したデータをまとめているイギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウエブサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によりますと、世界では、70を越える国や地域で、接種が始まっているようです。しかしながら、全世界の国の数が197か国に及ぶということから、全体に占める割合はわずかに35%程度にとどまっており、この点から、地球上での集団免疫にはほど遠い状況となっているものと認められます。

 一方、経済動向に目を転じますと、令和3年2月15日に30年ぶりに日経平均株価が30,000円を突破しました。ところが、実際に経済は好調なのかというと、2月15日の内閣府発表の速報値では、2020年の1年間の実質GDPはマイナス4.8%と、リーマンショック以来のマイナス成長となっています。このような状況下での株価高騰の要因としては、一つには、経済対策で政府がばらまいたお金が株式市場に入ってきていることといわれています。昨年3月末からアメリカの経済対策として220兆円、日本では106兆円の対策がとられています。もう一つの要因としては、2020年10~12月期のGDP(実質経済成長率の速報値)が年率換算で前期比12.7%と市場予想(10%)を上回ったことが考えられるとされています。このほかにも、中国向けの輸出も堅調に推移しています。予想を大きく上回って好調となっています。但し、株価の影響を享受できているのは70%を占める外国人投資家で、国内投資家はわずかに30%のみとなっています。この点から、うまみが享受できる状況にはなっていないということがいえます。

 東日本大震災から今年で10年を迎えます。あれだけの大きな爪痕から、現状では大分、良い方向に向かっています。今回のコロナ禍につきましても、ワクチン接種によりトンネルの先に光が見え始めたような気がしています。もちろん、ワクチンは魔法の杖ではなく、その普及には相応の時間がかかるものと考えます。それでも、我々がポスト・コロナを展望した様々な変革を推し進めることにより、コロナ禍によって抑制された需要が徐々に回復し、ポスト・コロナを展望した動きが早まり、さらに強まるものと信じています。

いまこそ、さらなる結束が必要なとき!!

2021年03月 1日

 新型コロナウイルス感染症ワクチンの市場投入によって、感染再拡大のピークアウトが期待される中、民主党ジョー・バイデン氏が第46代米国大統領に就任しました。バイデン大統領は、その日のうちに地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」に復帰しました。今後はTPP11への復帰も期待され、地球規模では良い方向に向かっているように思われます。また、バイデン政権は、1.9兆ドル(約197兆円)の経済対策を掲げており、米国経済の早期の立て直しが大いに期待されるところです。

 一方、国内に目を転じますと、日本商工会議所が実施しているLOBO調査結果では、全産業合計の業況DIは、▲49.5(前月比▲3.4ポイント)と、12月より1月は悪化しました。これは、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響から、11都府県における緊急事態宣言の再発令やGo Toキャンペーンの一時停止により、客足が減少した飲食・宿泊業や小売業の業況が悪化したことによります。売り上げ低迷に直面している外食産業を中心に、需要回復を見通せない中、先行き不透明感を指摘する声が多く、中小企業の景況感には弱さがみられるとのことです。一方、企業のデジタル投資や5G向けの需要増を背景に受注が伸びている電子部品関連や、中国・米国向けの輸出が増加している自動車関連が好調となっているほか、巣ごもり需要に下支えされた飲食料関連の製造業が堅調に推移しているようです。なお、けん引役を担っている自動車業界は、昨年10月に起きた旭化成のグループ会社の半導体工場の生産ライン停止により、半導体の供給が間に合っていない状況となっています。これを受けて、今後、自動車業界は、少し落ち込む可能性が出てきています。

 このような中、最近、「アフターコロナ」という言葉が先行して使われています。私としては、人間のコントロール下になって初めてアフターコロナといえるのではないかと考えています。感染者数等の数字が下がってほしいと願っています。そのうえで、個人的にはオリンピックも開催していただきたいと期待しています。

 バイデン大統領が就任式の席で、国民の結束に全霊をささげると訴えました。現在の国難の中、国家・国民の幸せを願って、今こそ、会議所も関係者の皆様方の更なる結束に全霊をささげ、一丸となってこの国難に臨んでまいりたいと存じます。

発令する以上は、実効性を持たせることが極めて重要!発令に当たっては、協力要請に応じた事業者の方々への柔軟かつ迅速な事業継続支援等に手段を尽くすこと!!

2021年02月 1日

 緊急事態宣言が、再び一都三県に発令されました。愛知県ほか中京地区でも遅かれ早かれ緊急事態宣言が発令される事態となっています(1月8日時点)。

 より深刻なオーバーシュートによる医療崩壊を回避するためにも、国民への強いメッセージが必要であり、再宣言の発令は一時的にやむを得ない苦渋の決断であると考えます。

 ただし、発令する以上は、実効性を持たせることが極めて重要です。

 我々にとっては、最も経済復興活動の妨げとなるこの宣言ですが、もはや曖昧に物事を誤魔化して進めるより、一日でも早くこの難関を終息させた方が良いとの判断と考えます。決して間違ってはいませんが、多くの会員企業の皆様にとってはとても耐え難い状況が長期化することとなります。

 イスラエルではコロナによる経済的ダメージを少しでも緩和する策として「グリーンパスポート制度」を発表しました。ワクチンの2回接種者、抗体保持者に対して自由に動き回って良いとする許可制度です。日本も一刻も早くこういった制度を取り入れていただきたい。

 これまですでに甚大な影響を被ってきた事業者の方々、とりわけ、ぎりぎりの瀬戸際で経営危機に耐えてこられた飲食業界の方々などにおかれては、再びの営業時間短縮要請等で、さらに追い打ちをかけられることになります。今後、経営破綻や廃業に追い込まれる事業者の急増を最大限回避するためにも、政府、各自治体は、協力要請に応じた事業者の方々への柔軟かつ迅速な事業継続支援に手段を尽くすとともに、第3次補正予算で措置される支援策の着実な実行に全力を挙げていただきたい。

 当商工会議所も、総力を挙げて事業者支援に取り組む所存です。

本年取り組むべき課題は、会員事業者の方々のことをどれだけ考え、日ごろの収集した情報を活かし、アイデアを具現化し共生できるか!!

2021年01月 1日

新年あけましておめでとうございます。

平素より、会員を始めとする皆様には当会議所事業に対し、ひとかたならぬ御支援と御協力をいただき誠にありがとうございます。年頭に当たり、厚く御礼申し上げます。

さて、昨年の2020年を振替えってみますと、コロナ一色であり、地球規模で世界中の国と人々が振り回された一年でございました。コロナに振り回されながら、同時にこれに対応(対抗)しようとする思慮の浅い方策にも 経済界は振り回された感もございます。しかし乍ら、副産効果として新しいビジネススタイルや働き方が定常化でき、コロナ後のビジネスシーンに大きな変化をもたらしたことです。わが国がコロナ禍を克服し、経済回復を実現していくためには、感染拡大防止を徹底しながら社会経済活動のレベルを引き上げていかなければならないと考えます。厄介なことに経済は既にグローバル化が進み、わが国だけが立ち直るということは考えにくくサプライチェーンや市場国としての繋がりのある各国が同時に立ち直って頂かない事にはもと通りの道へ引き返すことは厳しいものと考えます。まず、足元の新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、国と自治体がより一層連携し、医療機関等へのインセンティブ付与を含む財政支援により、病床数や人員の確保など医療提供体制を直ちに拡充するとともに、これまでの知見等を活かし、エリア・業種を絞った感染の封じ込めを行うことが重要です。何もしない人々、何か一生懸命にする人々、変化を恐れずに変えていこうとする人々。これら様々な人々にとって「時間」は等しく流れ、みな同時に新年を迎えました。考え抜いて、準備をして、備えて、動いた人々と、そうでなかった人々との間に本年は残念ながら大きな差がつくことになるのではないでしょうか?

商工会議所も全く同じことがいえます。どれだけ会員の事を考え、日ごろの収集した情報を生かしアイデアを具現化し共生できるかが本年取り組むべき課題と考えます。

まずはコロナに負けないこと、次にコロナ禍後の「新しい社会様式」の実現対応に向けた準備が必要!!

2020年12月 1日

 今回の米大統領選挙は、郵便投票の開票に時間がかかることなどから、勝敗の決着がかなり遅れる可能性がありますが、11月5日正午現在、バイデン前副大統領が激戦州のウィスコンシンとミシガンで勝利を確実にしたことで、当選に必要な選挙人の獲得に近づいています。このように米大統領が決まらないといった異常事態の長期化が現実となった場合、為替市場にはどんな影響があるのかを勝敗の決着がすぐにつかなかった2000年の米大統領選挙のときの事例から見通してみますと、投票日である11月7日まで小動きが続いていた米ドル/円は、終値ベースでみると、この日に107円で底を打ち、その後一段高が始まるところとなりました。これはその後の分析で、当時の米経済の課題の一つだった財政赤字の解消策としての米ドル高対策を織り込んだ動きとなっていたというものでした。このような状況をみると、勝敗の決着まで長期を要する異常事態となるとしても、為替相場の動向については、選挙の勝敗とは別に、決定される可能性があるものと認められ、引き続き注目していくことが必要と考えます。当所副会頭のお一人は、円高にぶれると見通されているようです。

 さて、現状も、コロナ、コロナで少々、嫌気が差してきました。そこでコロナ禍を契機とした社会変化がどうなるのかをここでは見通してみました。まずは、分散化が進展することが予想されます。すなわち、都市一極集中型から分散・ネットワーク型へ変化することが予想されます。居住と就業先が地理的に分散するということです。地方で広い家を持つ、一定期間を地方で働くなどです。次に産業構造の変化が進むものと考えられます。オンラインによる新ビジネスが次々と登場するでしょうし、リモートによりどこでも仕事ができるようになり、女性やLGBTに対する差別も少なくなるものと予想されます。リモート化、分散化など新しいライフスタイルに伴う需要が生み出される可能性があります。さらには、すでに全日空やJALから輩出される多くの出向者のニュースが取りざたされておりますが、このようなことは今後広がることが予想されます。AI活用等の加速によっても、余剰労働力が増大することが予想されます。このことから、来年は、外国人労働者など労働力の組み換えを図っていくときと認識しています。私ごとですが、外国人労働力の組み換え申請を行っている最中であり、ここに至って、外国人労働者は頼りにならなくなってきています。また、会社への帰属意識が薄くなり、契約的雇用関係の色が濃くなってくるものと予想されます。

 コロナ禍は、私たちに多くのことを気づかせました。例えば、

・これまであたりまえのことと認識し、また、社会活動の基盤と捉えてきた、人と人との緊密なコミュニケーションは、時として制限することが求められるものであること。

・信頼を寄せてきた広域な移動やサプライチェーンは、時として機能し得なくなるもの。

などです。

 コロナ禍により、こうしたことに気づかされた我々は、モノづくりの現場にも、家庭にも、さらには都市のあり方においても、デジタルシフトや強靭性を高めるなど、「新しい社会様式」を期待することとなりました。「新しい社会様式」の実現には、新しいイノベーションが求められます。

 この期待される新しいイノベーション像は非常に広範なものであり、また、今や世界的な社会課題であることから、その実現に当たっては、産業界はもとより、政策当局や学界が一体となって取り組み、私たちの叡智を結集し、牽引していくことが期待されています。

 まずはコロナに負けないことが肝要ですが、コロナ禍後の「新しい社会様式」の実現に向け、今からでも準備にとりかかることも必要と考えます。

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