会頭Message


 現在の産業や経済などについて、犬山商工会議所 会頭が
思ったこと・話したことを月に1回程度掲載します。


本年取り組むべき課題は、会員事業者の方々のことをどれだけ考え、日ごろの収集した情報を活かし、アイデアを具現化し共生できるか!!

2021年01月 1日

新年あけましておめでとうございます。

平素より、会員を始めとする皆様には当会議所事業に対し、ひとかたならぬ御支援と御協力をいただき誠にありがとうございます。年頭に当たり、厚く御礼申し上げます。

さて、昨年の2020年を振替えってみますと、コロナ一色であり、地球規模で世界中の国と人々が振り回された一年でございました。コロナに振り回されながら、同時にこれに対応(対抗)しようとする思慮の浅い方策にも 経済界は振り回された感もございます。しかし乍ら、副産効果として新しいビジネススタイルや働き方が定常化でき、コロナ後のビジネスシーンに大きな変化をもたらしたことです。わが国がコロナ禍を克服し、経済回復を実現していくためには、感染拡大防止を徹底しながら社会経済活動のレベルを引き上げていかなければならないと考えます。厄介なことに経済は既にグローバル化が進み、わが国だけが立ち直るということは考えにくくサプライチェーンや市場国としての繋がりのある各国が同時に立ち直って頂かない事にはもと通りの道へ引き返すことは厳しいものと考えます。まず、足元の新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、国と自治体がより一層連携し、医療機関等へのインセンティブ付与を含む財政支援により、病床数や人員の確保など医療提供体制を直ちに拡充するとともに、これまでの知見等を活かし、エリア・業種を絞った感染の封じ込めを行うことが重要です。何もしない人々、何か一生懸命にする人々、変化を恐れずに変えていこうとする人々。これら様々な人々にとって「時間」は等しく流れ、みな同時に新年を迎えました。考え抜いて、準備をして、備えて、動いた人々と、そうでなかった人々との間に本年は残念ながら大きな差がつくことになるのではないでしょうか?

商工会議所も全く同じことがいえます。どれだけ会員の事を考え、日ごろの収集した情報を生かしアイデアを具現化し共生できるかが本年取り組むべき課題と考えます。

まずはコロナに負けないこと、次にコロナ禍後の「新しい社会様式」の実現対応に向けた準備が必要!!

2020年12月 1日

 今回の米大統領選挙は、郵便投票の開票に時間がかかることなどから、勝敗の決着がかなり遅れる可能性がありますが、11月5日正午現在、バイデン前副大統領が激戦州のウィスコンシンとミシガンで勝利を確実にしたことで、当選に必要な選挙人の獲得に近づいています。このように米大統領が決まらないといった異常事態の長期化が現実となった場合、為替市場にはどんな影響があるのかを勝敗の決着がすぐにつかなかった2000年の米大統領選挙のときの事例から見通してみますと、投票日である11月7日まで小動きが続いていた米ドル/円は、終値ベースでみると、この日に107円で底を打ち、その後一段高が始まるところとなりました。これはその後の分析で、当時の米経済の課題の一つだった財政赤字の解消策としての米ドル高対策を織り込んだ動きとなっていたというものでした。このような状況をみると、勝敗の決着まで長期を要する異常事態となるとしても、為替相場の動向については、選挙の勝敗とは別に、決定される可能性があるものと認められ、引き続き注目していくことが必要と考えます。当所副会頭のお一人は、円高にぶれると見通されているようです。

 さて、現状も、コロナ、コロナで少々、嫌気が差してきました。そこでコロナ禍を契機とした社会変化がどうなるのかをここでは見通してみました。まずは、分散化が進展することが予想されます。すなわち、都市一極集中型から分散・ネットワーク型へ変化することが予想されます。居住と就業先が地理的に分散するということです。地方で広い家を持つ、一定期間を地方で働くなどです。次に産業構造の変化が進むものと考えられます。オンラインによる新ビジネスが次々と登場するでしょうし、リモートによりどこでも仕事ができるようになり、女性やLGBTに対する差別も少なくなるものと予想されます。リモート化、分散化など新しいライフスタイルに伴う需要が生み出される可能性があります。さらには、すでに全日空やJALから輩出される多くの出向者のニュースが取りざたされておりますが、このようなことは今後広がることが予想されます。AI活用等の加速によっても、余剰労働力が増大することが予想されます。このことから、来年は、外国人労働者など労働力の組み換えを図っていくときと認識しています。私ごとですが、外国人労働力の組み換え申請を行っている最中であり、ここに至って、外国人労働者は頼りにならなくなってきています。また、会社への帰属意識が薄くなり、契約的雇用関係の色が濃くなってくるものと予想されます。

 コロナ禍は、私たちに多くのことを気づかせました。例えば、

・これまであたりまえのことと認識し、また、社会活動の基盤と捉えてきた、人と人との緊密なコミュニケーションは、時として制限することが求められるものであること。

・信頼を寄せてきた広域な移動やサプライチェーンは、時として機能し得なくなるもの。

などです。

 コロナ禍により、こうしたことに気づかされた我々は、モノづくりの現場にも、家庭にも、さらには都市のあり方においても、デジタルシフトや強靭性を高めるなど、「新しい社会様式」を期待することとなりました。「新しい社会様式」の実現には、新しいイノベーションが求められます。

 この期待される新しいイノベーション像は非常に広範なものであり、また、今や世界的な社会課題であることから、その実現に当たっては、産業界はもとより、政策当局や学界が一体となって取り組み、私たちの叡智を結集し、牽引していくことが期待されています。

 まずはコロナに負けないことが肝要ですが、コロナ禍後の「新しい社会様式」の実現に向け、今からでも準備にとりかかることも必要と考えます。

コロナ後の喫緊の課題は、適格請求書保存方式(日本型インボイス制度)の導入・対応!!

2020年11月 1日

 日本商工会議所(三村明夫会頭)は、9月29日に、要望書「菅内閣に望む」を取りまとめ、菅義偉内閣総理大臣ならびに梶山弘志経済産業大臣に手交いたしました。それ以降も、関係閣僚・国会議員・政府関係者等にも働きかけています。要望書では、中小企業の事業継続・雇用維持に対する懸命の努力も限界であることから、感染拡大防止と社会経済活動の両立に最優先で取り組むべきであることや、不確実性がますます高まる環境においては、変化に迅速に対応する柔軟性が不可欠であり、リスクに備えることで不確実性を吸収できる「戦略的なゆとり」を組み込んだ国家運営ビジョンの策定が必要であることなどを基本的な考え方として、以下4点を要望しています。

1.感染拡大防止と社会経済活動の両立を支える検査・医療提供体制の整備
2.倒産・廃業防止への支援継続と小規模・中小・中堅企業の付加価値創出
3.地方分散型社会に向けた地方創生の再起動
4.少子化対策や社会保障改革など構造的課題の克服

 日銀短観の結果をみてみますと、大企業・中小企業、製造業・非製造業ともに、若干の改善にとどまり、水準は依然として低い状態にあります。この結果自体は、我々の実感(日商LOBO調査(9月))と合っています。業種別にみますと、「自動車」の業況判断DIは、足元で大きく改善し、先行きも大幅な改善が見込まれています。自動車産業の景況感はまだまだ満足すべき状況ではありませんが、急速に改善傾向にあることは、すそ野の広い業界であることからも期待が持てるのではないかと考えます。

 中小企業にとって最も効果的な経済政策は、感染防止と経済活動を両立させることだと思います。10月から、GO TO キャンペーンに東京が含まれることとなりましたが、ここ1ケ月でみてみますと、地方では既に観光客が増加し、宿泊施設などにも予約が入っているとのことです。GO TO キャンペーンに東京が含まれることで全国的にも相当大きな(プラスの)影響が期待できます。もちろん感染拡大の心配はありますが、観光地の旅館・ホテル等では感染防止対策をしっかり行っていると聞いていますし、我々も油断することなく対策を継続して行いお客様に対応することがコロナとの共存だと感じています。企業経営者に少しでもポジティブなマインドを持ってもらうためにも、感染拡大を防止しながら経済活動を上向かせるというギリギリのところを狙うような施策が望ましいと考えます。

 さて、コロナ後の喫緊の課題として、令和3年の10月から導入される適格請求書保存方式(日本型インボイス制度)への対応があげられます。軽減税率が始まって複数税率が浸透する中、来年までに我々事業者は適格請求書等保存方式の導入に迫られ、そうでない零細もこれに対応する策を講じておかなければなりません。取引から排除される(例えば、料理屋や旅館、ホテルの方々ですと、商談の場として使われなくなるなど)こととならない準備が今すぐにでも必要となります。

当該制度が導入されると、従来の方式から大きく変わる点が2つあります。

 一つは、仕入れ税額控除が受けられる適格請求書等の発行は、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」しか交付できなくなります。もし、適格請求書発行事業者以外の者が適正な記載項目で請求書を発行しても、適格請求書としては認められず、「誤認される恐れがある」として1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることになります。

 また、もう一つは、適格請求書には、必ず明記しなければならない事項があります。適格請求書の記載事項は以下のとおりです。

1.適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号
2.取引年月日
3.取引内容(軽減税率の対象となる場合はその旨)
4.税率ごとに合計した税抜又は税込対価の額及び税率
5.消費税額等
6.書類の交付を受ける者の氏名又は名称

適格請求書発行事業者は、この記載事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類を交付しなければなりません。

 インボイス制度導入後、免税事業者との取引は、自社の消費税負担が増える恐れがあり、免税事業者排除に繋がる可能性があるなど、先行き不透明な部分も残っています。しかし、全ての企業がこのインボイス制度によって影響を受けることは間違いありません。今後の動向に留意しつつ、早め早めにインボイス制度への対応準備を行っていきましょう。

長寿企業に学び、コロナ禍を乗り越えよう

2020年10月 1日

 8月29日に安倍首相が突然、辞意を表明されたことは、私にとって驚きの出来事でした。第二次安倍内閣の一番の実績は、経済であったと評価しています。アベノミクスを掲げて、株価の上昇に大きく寄与しました。頼もしいと思いました。また、外交面でも毅然と対応された点も評価に値します。長期政権としての実績は、一言では言い尽くせないほど数多くあげることができます。安倍首相におかれては、できるだけ早くお体を良くしていただくことを御祈念申し上げる次第です。

 さて、昨今は、新型コロナウイルスの感染拡大で景気が冷え込み、コロナ関連の倒産や廃業が増加しています。倒産や廃業を防ぐため、過去にいくつもの難局を乗り越えてきた長寿企業から学べることがあるのではないかと考えます。日本には創業から100年以上を経過した企業の数が、世界の中でも飛びぬけて多く存在しているといわれています。世界の創業100年以上の企業のうち、半数近くが日本の企業が占めるらしいです。日本には、約3万社存在するといわれています。そのほとんどの企業が、いまだに創業家が経営し、経営理念、先代の教えが代々引き継がれています。一方、ビジネスの中身は時代に合わせて変えてイノベーション(革新)を起こしているという特徴があります。また、これらの企業の本社の多くは、地方に置かれています。「月刊石垣」で連載されましたが、これが「長寿企業の秘密」というタイトルの一冊の本としてまとまりました。そこには、長寿の企業は、地域にしっかり根付いており、また、地域に貢献している企業であるとのことでした。新型コロナは、長寿企業が何度も乗り越えてきた危機の一つとも捉えられます。皆様方におかれましては、新型コロナウイルス禍の中、弱気にならず、長寿企業から学び、培ってきた強みを活かしながら、変化に対応するため、しっかりと足元を固めてコロナ禍を乗り越え、今後とも、末永く、事業を継続していただくことを御期待申し上げる次第です。

0か100かの議論ではなく、30か50の議論を

2020年09月 1日

 愛知県下では、7月15日に新型コロナウイルス感染者数が16人となり、21日には50人を超え、29日には100人を超え、7月31日には過去最多の193人に達するなど、極めて厳しい状況が続いています。このような状況を踏まえ、愛知県は、8月2日にエリアを限定して、営業時間の短縮等の休業要請を行いました。

 私としては、これは第二波が到来したというべき状況であると考えます。それも想定より早く、大きなビッグウエーブであると危機感をもってみています。

 ここにきて、再度の休業要請ということですが、私は、このワードから失業というワードが連想され、失業率が上昇すると、自殺が増加するということが知られているというお話を思い出します。バブルが崩壊して、自殺者は2万人台前半で推移しますが、1998年以降は急上昇します。1997年に山一証券が倒産し、日本長期信用銀行が経営破綻するなど、日本が金融危機に陥った1998年には自殺者数が初めて3万人を上回りました。以後日本は経済停滞の時代が続き、自殺者数は毎年3万人以上を記録し、中でも2003年は3万4427人となり、統計を遡れる時代から今に至るまでで最高を記録しました。2008年のリーマンショックの翌年の2009年が増加した最後の年です。

 ある学者がいうには、日本では、完全失業率が1%ポイント上昇すると、男女ともに10万人当たり約25人の自殺者増加につながるということだそうです。失業率の増加が自殺者の増加につながるということです。自殺は多くの損失を生み出すともいわれています。自殺者本人が生き続けた場合に生み出す付加価値の損失をはじめ、自殺者の遺族や遺族以外の個人への負の影響も考えられ、このような自殺者の増加は日本の社会・経済への多大なる損失につながるといわれています。

 今後の日本の失業率を予測したうえで、自殺者数を試算したものをここで御紹介すると、まず失業率の予測としては、経済がいわゆるU字回復で2021年後半から回復すると仮定すると、2020年の失業率は2.7%、2021年の失業率は3.8%と予測するものがあります。当該予測失業率を、ある学者の推計値をあてはめて自殺者数を計算しますと、2020年と2021年の自殺者数がそれぞれ約2万5000人、4万7000人となるとの試算が紹介されています。

 以上のようなことを踏まえ、今現在の世の中の議論をみると、経済をストップするか否か、0か100かという議論が多過ぎるように見受けられます。私としては、経済のストップ→失業率の増加→自殺者の増加→多大なる社会・経済の損失ということが予想される以上、0か100かの議論ではなく、30か50かという議論を行うべきでないかと考えます。その際、いろいろなアイデアを出し合って、コロナ対策を講じつつ、経済を少しでも回すということに尽力すべきものと考えます。この先、当所としては、行政とも連携して、プレミアム付き商品券事業をはじめ、産業祭等様々な事業を展開することとしていますが、経済を回すことを0ではなく、30あるいは50実施するという前提で、コロナ対策は確保しつつ、従来の手法とは異なる手法による事業の実施ついてアイデアを絞り出して、少しでも多く経済を回していく工夫を行っていきたいと考えています。

 先に御紹介したとおり、経済が回らなくなると自殺者が増え、自殺者の増加は多大な社会的・経済的損失を生み出すといわれています。皆様方におかれましても、経済を少しでも回し、減少させることはかなわなくとも、自殺者を増やさないよう、様々なアイデアの企画立案・実施による一定の経済活動水準の確保を目指した私共の取り組みに是非とも御協力いただきますようお願い申し上げる次第です。

 なお、7月31日に犬山地域桃太郎伝説に基づく地域ストーリー策定・検証事業推進委員会を立ち上げ、犬山のコアコンピンタンスである桃太郎、現在では少々錆びついてしまいましたが、これをもう一度拾い直してピカピカに磨いてこの地域の素晴らしい観光資源にすることを目的とした取り組みを始めました。

 当該事業は、ポストコロナ事業ともいうべき事業かもしれませんが、今から検討を始めることにより、当地域の事業者の皆様の一つの希望として、現在のお取り組みに当たってのモチベーションを高めるための一つとしてみていただきたいと願っています。当所といたしましては、確実にアウトプットできるよう関係者の皆様方の御協力の下、進めていきたいと考えていますので、皆様方におかれましては、本事業への御協力を併せてお願いしたいと存じます。

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